NC自動旋盤加工品における「同軸度」の設定について
KOBEでは、自動車や産業機器むけに、NC自動旋盤加工機を用いて様々な製品を供給しておりますが、特に自動車向けの製品については高精度加工が要求される上、非常に数量も多いので、当社では様々な対策を行っております。
今回は旋盤にて加工されるシャフトやプランジャーなどによく設定される【同軸度】についてお話させて頂きます。幾何公差含めたいわゆる「公差」は、加工条件を最適化することで対応できる領域や、その公差を実現するためには通常の加工機では対応できないものなど、様々です。製品として求める機能を満足しながらもコストを抑えるために、今回御伝えする情報をぜひご活用頂ければと思います。
- 加工方法による制約
NC旋盤には大きく2種類あり、一つはワークを都度チャッキングする主軸固定型のタイプと、もう一方は主軸移動型の自動旋盤タイプがあります。この加工方法の違いによって、達成できる同軸度は異なってきます。
一般的に、主軸固定型の旋盤は、突き出しの長さがあるとどうしても加工精度を保つことができず、同軸度は出にくい傾向にあります。対して主軸移動型の自動旋盤タイプは材料を保持するガイドブッシュの近くで加工ができるので、高い同軸度を達成しようとした場合は有利になります。
またNC旋盤は、ワークを掴みかえて背面を加工するケースがあります。この掴みかえを行うとどうしても誤差が生じてしまうので、製品設計時には適切な同軸度を設定する必要があります。当社のNC自動旋盤でφ20程度のワークを加工した場合、掴みかえをしないケースでは同軸度は0.01以下くらいとなりますが、掴みかえを行うとこれ以上になるため、これらを考慮して部品設計を行う必要があります。 - 材料による違い
上記のほか、同軸度に大きく影響する要素には、どんな材料を選ぶかというポイントがあります。例えば黒皮材と研磨材を比較した場合、材料の振れ精度が大きく違うので、当然ながら達成できる同軸度は異なります。NC自動旋盤加工メーカーに材料支給を行う場合で、高い同軸度が必要な場合は、研磨材や、最低限引抜材を採用することをお勧めします。 - 工程設計による違い
当然ながら高精度な加工を行うためには、どんな刃物をつかってどんな順番で切削を行うかはもちろん、送りスピードなども含め、適切な工程設計を行うことが必要です。この工程設計を間違うと目指す精度が達成できないこともあります。
KOBEは、NC自動旋盤の刃物の選定、機械の芯出しなどを最適化、工程設計をしっかり行うことで、高い同軸度が求められる製品を安定した品質で供給することを得意としております。例えば、外径φ10・内径φ4・同軸度0.01(10μm)の製品を全数保証を行いながら50万個/月生産を継続しています。同軸度が求められるシャフトやプランジャーなどのNC自動旋盤加工ならKOBEにお任せください。